再帰的アルゴリズムとは
再帰的アルゴリズムとは、関数が自分自身を呼び出すことで処理を進めるプログラミング技法です。通常の繰り返し構造(for文やwhile文)と異なり、再帰は「問題をより小さな同型の問題に分割し、最終的に基底条件に到達することで終了する」という考え方に基づいています。これにより、複雑な処理をシンプルで直感的な形に表現できるのが大きな特徴です。
この仕組みを正しく機能させるためには、次の3つの要素が不可欠です。
基底条件 (Base Case)
再帰的アルゴリズムにおける基底条件(Base Case)とは、再帰呼び出しを終了させるための条件を指します。これは処理を止めるための「出口」として機能し、正しく設定されていなければ再帰は永遠に続いてしまいます。例えば階乗計算では、factorial(0) = 1 が基底条件となります。この条件が存在することで、factorial(n) の呼び出しは最終的に終了へと収束しますが、もし基底条件が欠けていれば、関数は無限に自分自身を呼び出し続け、スタックオーバーフローを引き起こしてしまいます。
階乗 (Factorial)
function factorial(n):
if n = 0 then return 1
→階乗計算における基底条件は「0! = 1」と定義されます。この基底条件があることで、再帰的に呼び出される factorial(n) は最終的に終了へと収束します。もしこの条件が存在しなければ、factorial(n) は永遠に自分自身を呼び出し続けてしまい、処理が止まらずスタックオーバーフローを引き起こすことになります。
総和 (Sum)
function sum(n):
if n = 1 then return 1
else return n + sum(n-1)
→総和計算における基底条件は「sum(1) = 1」と定義されます。これは「1まで足したら終了」という出口の役割を果たしており、再帰呼び出しがそこで止まるように設計されています。この基底条件があることで、sum(n) の呼び出しは最終的に収束し、正しく計算結果を得ることができます。もしこの出口が存在しなければ、処理は永遠に続いてしまい、再帰アルゴリズムは正常に終了できなくなります。
オルビナ/基本情報技術者専門官基底条件がない再帰は「出口のない部屋」に閉じ込められるようなものです。再帰を正しく機能させるためには、最低でも一つ以上の出口を用意する必要があるのです。
再帰呼び出し (Recursive Call)
再帰的アルゴリズムにおける再帰呼び出し(Recursive Call)とは、関数が自分自身を呼び出す部分を指します。この仕組みは、問題を段階的に小さくしながら繰り返すことで、最終的に基底条件へと近づける役割を果たします。例えば階乗計算では、factorial(n) = n × factorial(n-1) という形で毎回引数を1ずつ減らしながら呼び出しを行い、最終的に factorial(0) という基底条件に到達します。
↓このコードは再帰呼び出しを実行することができるコードです。
function factorial(n):
if n = 0 then return 1
else return n × factorial(n-1)
-----------------------------------
呼び出しは5回までにしたい。
factorial(4)
→ 4 × factorial(3)
→ 4 × 3 × factorial(2)
→ 4 × 3 × 2 × factorial(1)
→ 4 × 3 × 2 × 1 × factorial(0)
→ 24
呼び出しは7回までにしたい。
factorial(6)
→ 6 × factorial(5)
→ 6 × 5 × factorial(4)
→ 6 × 5 × 4 × factorial(3)
→ 6 × 5 × 4 × 3 × factorial(2)
→ 6 × 5 × 4 × 3 × 2 × factorial(1)
→ 6 × 5 × 4 × 3 × 2 × 1 × factorial(0)
→ 720


まるで出口を探して迷路を進むようなものです。呼び出しを繰り返すたびに問題は少しずつ単純化され、最終的に出口である基底条件にたどり着くことで処理が終了します。
問題分割 (Problem Decomposition)
再帰的アルゴリズムにおける問題分割(Problem Decomposition)とは、複雑な大きな問題を、同じ構造を持つより小さな問題へと変換する仕組みを指します。これにより、処理全体をシンプルな繰り返し構造に落とし込むことができ、最終的には基底条件に到達して終了します。
階乗計算
• 大きな問題:n!を求める
• 分割方法:n! = n×(n-1)!
• 小さな問題:(n-1)! を計算する
• 基底条件:0! = 1
総和計算
• 大きな問題:1からnまでの和
• 分割方法:sum(n) = n + sum(n-1)
• 小さな問題:sum(n-1)
• 基底条件:sum(1) = 1


大きな壁を一度に突破するのではなく、避けて通れる小さな壁を選びながら進むようなものです。小さな課題を順に解決していくことで、最終的に出口である基底条件へとたどり着けるのです。



今回扱った再帰的アルゴリズムは、「ループを防ぐための仕組み」に関する記事でした。基底条件という出口を必ず設定し、再帰呼び出しと問題分割を組み合わせることで、複雑な処理を安全かつ直感的に表現できるのです。









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