整列アルゴリズムの位置づけ
基本情報技術者試験において、整列アルゴリズムはアルゴリズム分野の中でも頻出の重要テーマです。バブルソート、選択ソート、挿入ソートといった基本的な手法は毎年のように出題されており、合格者の多くが「得点源」として活用しています。特に午後試験(科目B)では、単なる暗記ではなく、疑似言語で書かれたプログラムの流れを正しく追い、処理の結果を理解できる力が求められます。そのため、整列アルゴリズムの仕組みを具体的にイメージできることが合否を左右するといっても過言ではありません。
出題形式と疑似言語の特徴
整列アルゴリズムの問題では、疑似言語を用いて「配列をどのように並べ替えるか」が示されます。代表的な記法として、代入は「x ← y」、配列アクセスは「A[i]」、繰り返し処理は「for i ← 1 to n」や「while 条件 do」といった形式が使われます。
オルビナ/基本情報技術者専門官配列の仕組みを理解しておくと、問題を追いやすくなり、得点につながりやすくなります。
例えばバブルソートでは「隣接要素を比較して交換する処理」が、選択ソートでは「最小値を選んで先頭に置く処理」が、挿入ソートでは「整列済み部分に新しい要素を挿入する処理」が疑似言語で表現されます。これらを正しく読み解くことで、配列がどのように変化していくかを追えるようになります。
出題されるアルゴリズムの体系
その前に、O(n²)について説明しておきましょう。O(n²)はアルゴリズム学習における基本的な計算量であり、処理効率を考える際の基準となる目安です。つまり、データが増えると処理時間が二乗のスピードで増えるアルゴリズムを表す記号で、他の効率的な手法と比較するための出発点となります。
ソートアルゴリズム
ソートアルゴリズムにはいくつか代表的な手法があり、それぞれに特徴と適用場面があります。
まず バブルソートは、隣接する要素を順に比較し、大小関係が逆であれば交換する操作を繰り返すことで配列を整列させる方法です。配列の末尾に大きな値が「泡のように浮かび上がる」イメージからこの名前が付けられています。処理の単純さが利点ですが、比較と交換を繰り返すため計算量はO(n²)と大きく、データ量が増えると効率が悪くなります。
配列 [5, 3, 8, 1] を昇順に並べる場合
1. 1回目の走査(隣同士を比較して交換)
◦ 5 と 3 を比較 → 交換 → [3, 5, 8, 1]
◦ 5 と 8 を比較 → 交換なし → [3, 5, 8, 1]
◦ 8 と 1 を比較 → 交換 → [3, 5, 1, 8]
→ 一番大きい「8」が最後に“バブル”のように浮かんでいく。
2. 2回目の走査
◦ 3 と 5 を比較 → 交換なし → [3, 5, 1, 8]
◦ 5 と 1 を比較 → 交換 → [3, 1, 5, 8]
◦ 5 と 8 を比較 → 交換なし → [3, 1, 5, 8]
→ 2番目に大きい「5」が正しい位置へ。
3. 3回目の走査
◦ 3 と 1 を比較 → 交換 → [1, 3, 5, 8]
◦ 3 と 5 を比較 → 交換なし → [1, 3, 5, 8]
→ 残りも整列完了。


たくさん繰り返すことで確実に整列できますが、データ量が増えると処理が重くなるのが弱点です。
次に 挿入ソートは、配列の一部を「整列済み部分列」とみなし、新しい要素をその中に適切な位置へ挿入していく方法です。人間がトランプを並べるときの動作に近く、理解しやすいアルゴリズムです。計算量は最悪でO(n²)ですが、データがほぼ整列済みの場合には高速に動作するため、小規模データや部分的に整列されたデータに強いという特徴があります。
配列 [5, 3, 8, 1] を昇順に並べる場合
• 先頭 [5] を整列済みとみなす。
• 次の「3」を取り出し、[5] の前に挿入 → [3, 5, 8, 1]
• 次の「8」はそのまま後ろに置く → [3, 5, 8, 1]
• 最後の「1」を取り出し、[3, 5, 8] の前に挿入 → [1, 3, 5, 8]


要するに、先頭からスタートして進みながら途中で選択できるイメージで理解すると分かりやすいでしょう。
そして、選択ソートは、配列から毎回最小値を探して先頭に並べるシンプルな方法です。計算量は常にO(n²)と効率は良くありませんが、交換回数が少ないため「比較が多く、交換は少ない」という特徴があります。バブルソートと比べると、理解しやすく学習用に適したアルゴリズムです。
配列 [5, 3, 8, 1] を昇順に並べる場合
1.未整列部分から最小値を探す → [5, 3, 8, 1] の中で最小値は「1」 → 先頭「5」と交換 → [1, 3, 8, 5]
2.次の未整列部分から最小値を探す → [3, 8, 5] の中で最小値は「3」 → 2番目「3」と交換(位置はそのまま) → [1, 3, 8, 5]
3.さらに次の未整列部分から最小値を探す → [8, 5] の中で最小値は「5」 → 3番目「8」と交換 → [1, 3, 5, 8]
4.最後の要素は自動的に整列済み → 完了 → [1, 3, 5, 8]


要するに、選択ソートは毎回小さい数を探して選び、順番に先頭へ並べていくアルゴリズムです。
最後に、クイックソートは、分割統治法を用いた効率的なアルゴリズムです。基準となる要素(ピボット)を選び、それより小さい要素と大きい要素に分割し、それぞれを再帰的に整列させることで全体を整列します。平均計算量は O(n log n) と優れており、大規模データの処理に適しています。ただし、ピボットの選び方によっては最悪計算量が O(n²) になるため、実装では工夫が必要です。
配列 [5, 3, 8, 1] を昇順に並べる場合
1. ピボット「5」を選ぶ → 左 [3, 1] と右 [8] に分ける。
→ 「5」の位置は確定。
2. 左グループ [3, 1] をさらに整列。
◦ ピボット「3」
◦ 左 [1]、右 []
→ 「3」の位置も確定。
3. それぞれのグループを 順番に並べて結合する。
◦ 左グループ [1]
◦ ピボット「3」
◦ ピボット「5」
◦ 右グループ [8]
4. 結果 → [1, 3, 5, 8]


ピボットは「中間を選ぶと効率が良い」ことが多いですが、必ず中間とは限りません。
クイックソートは「ピボットを選んで分ける → 左右を再帰的に整列 → 結合する」だけのシンプルな仕組みです。
このように、バブルソートは単純だが非効率、挿入ソートは小規模データに適し、クイックソートは大規模データに強いというように、それぞれのアルゴリズムには明確な特徴と得意分野があります。









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