探索アルゴリズムの基本
探索アルゴリズムは、大量のデータ集合の中から目的の値を効率的に見つけるための方法であり、試験では「効率性」と「適用条件」を理解しているかが問われます。効率性は計算量によって評価され、線形探索ではO(n)、二分探索ではO(log n) 、ハッシュ法では平均O(1) と表されます。また、整列の有無やハッシュ関数の設計などによって選択すべき手法が変わります。
そして何より重要なのは、なぜ探索アルゴリズムが必要なのかという点です。現代社会は膨大なデータで構成されており、効率的な探索がなければシステムは機能しません。検索エンジン、金融システム、物流、医療データ管理など、あらゆる分野で探索アルゴリズムが基盤となっています。試験での理解は単なる暗記ではなく、実務に直結する「情報処理の根幹」を学ぶことに他なりません。
オルビナ/基本情報技術者専門官暗記だけで済ませようとすると違和感を覚えるはずです。なぜ整列が必要なのか、なぜ比較回数が減るのか、なぜ衝突処理が課題なのか。
その違和感こそが理解の入口であり、仕組みを深く理解することで初めて試験にも実務にも活かせます。
線形探索(逐次探索法)
線形探索とは、データ集合の先頭から順番に目的の値と比較していく方法です。最も単純で直感的な探索手法であり、データが整列されていなくても利用できるという特徴があります。また、アルゴリズムの実装が非常に簡単であるため、基礎的な探索手法として広く用いられています。
ただし効率性の面では弱点があり、最悪の場合にはすべての要素を調べる必要があるため、計算量はO(n)となります。平均的な比較回数は(n+1)/2であり、例えば10個のデータを探索する場合には平均して5回程度の比較で目的の値が見つかります。
配列から「18」を探す場合
[12, 7, 25, 3, 18, 9, 30, 15, 6, 21]
1. 先頭「12」と比較 → 不一致
2. 次の「7」と比較 → 不一致
3. 次の「25」と比較 → 不一致
4. 次の「3」と比較 → 不一致
5. 次の「18」と比較 → 一致!
この時点で探索が終了し、目的の値「18」が見つかります。


このように線形探索は「整列不要・簡単」という利点がある一方で、すべての要素を調べる必要があるため時間がかかり、並列処理やマルチタスクには不向きという弱点を持っています。
基本情報技術者試験では、この線形探索について「整列不要」「遅い」というキーワードがよく問われます。つまり、簡単に使える反面、大規模データには不向きであるという点を理解しておくことが得点につながります。
二分探索(バイナリサーチ)
二分探索とは、整列済みのデータを対象に中央の値と比較し、探索範囲を半分に絞り込んでいく方法です。目的の値が中央より小さいか大きいかを判定することで、探索範囲を効率的に縮小できるため、大規模データに対して非常に強力な探索手法となります。
計算量は最悪の場合でも O(\log n) であり、データ数が増えても比較回数は対数的にしか増えません。例えば 1024 個のデータを探索する場合、最大でも 10 回程度の比較で目的の値を見つけることができます。これは線形探索のように 1000 回以上比較する必要がある場合と比べて、格段に効率的です。
昇順に整列された配列があります。
[3, 6, 7, 9, 12, 15, 18, 21, 25, 30]
1. 中央の要素を確認
配列の中央は「12」。
→ 探したい値「18」は「12」より大きいので、探索範囲を右半分に絞る。
2. 右半分の中央を確認
右半分 [15, 18, 21, 25, 30] の中央は「21」。
→ 「18」は「21」より小さいので、探索範囲を左半分 [15, 18] に絞る。
3. さらに中央を確認
[15, 18] の中央は「18」。
→ 一致!探索終了。


二分探索(バイナリサーチ)の最大のメリットは「大規模データでも高速に検索できる」点です。データ数が増えても比較回数は対数的にしか増えないため、処理時間を大幅に短縮できます。
基本情報技術者試験では、この二分探索について「中央値を取る」「比較回数は \log_2 n」といったキーワードがよく問われます。つまり、単にアルゴリズムの流れを覚えるだけでなく、整列が必要であること、比較回数が対数的に減ることを理解しておくことが得点につながります。
ハッシュ探索
ハッシュ探索とは、ハッシュ関数を用いてデータの格納位置を直接計算し、即座に目的の値へアクセスする方法です。探索対象の位置を数式で求めるため、線形探索や二分探索のように複数回の比較を行う必要がなく、平均的には1回のアクセスで目的の値を見つけることができます。
このアルゴリズムの大きな特徴は「高速性」と「衝突処理の重要性」です。ハッシュ関数によって計算された位置に複数のデータが割り当てられてしまう場合(衝突)があり、その際にはオープンアドレス法やチェイン法といった処理方法を用いて解決します。衝突処理を正しく理解していないと、ハッシュ探索は正しく機能しないため、試験でも頻繁に問われるポイントとなっています。
計算量は平均的に O(1) と非常に効率的です。例えば、ハッシュ関数として mod(x, 13) を用いる場合、データの値を13で割った余りを格納位置として決定します。これにより、目的の値を即座に特定できる仕組みになっています。



要するに、ハッシュ探索は、⚪︎を割って割った余りを番号化します。番号されたらその番号を⚪︎に格納するって感じです。
次のようなデータを格納したいとします。
[12, 25, 18, 30]
• 12 → 12 mod 13 = 12 → 位置 12 に格納
• 25 → 25 mod 13 = 12 → 位置 12 に「12」があるため 衝突発生
→ 衝突処理(オープンアドレス法)で次の空き位置 0 に格納
• 18 → 18 mod 13 = 5 → 位置 5 に格納
• 30 → 30 mod 13 = 4 → 位置 4 に格納


完成したハッシュ表は次のようになります。
0番に25、4番に30、5番に18、12番に12が格納され、それ以外の位置は空のままです。
他の値を探す場合
「18」を探す → 18 mod 13 = 5 → 位置 5 を確認 → 一致!
「30」を探す → 30 mod 13 = 4 → 位置 4 を確認 → 一致!
「12」を探す → 12 mod 13 = 12 → 位置 12 を確認 → 一致!


これがハッシュ探索です。線形探索や二分探索より高速ですが、衝突処理を理解していないと得点できません。
試験では『衝突処理の方法』が頻出なので、ここを押さえることが合格への近道です。









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