業務プロセスとは何か?
業務プロセスとは、組織が目標を達成するために行う一連の活動や手続きを体系的に整理したものです。単なる作業の積み重ねではなく、「インプット(入力)→処理→アウトプット(成果)」という流れを持ち、組織全体の効率性や品質を左右します。例えば「受注→在庫確認→出荷→請求」という流れは、販売業務における典型的な業務プロセスです。
オルビナ/基本情報技術者専門官その壱の業務プロセスでは、業務プロセスの基本について解説しています。理解をさらに深めたい方は、ぜひ下の関連記事も読んでみてくださいね。


業務プロセスとITの関係
現代の企業活動において、業務プロセスとITは切り離せない関係にあります。業務の流れを正しく理解し、効率的に運用するためには、ITの力を活用してプロセスを可視化し、システムと連携させ、さらには自動化を進めることが不可欠です。
まず、業務プロセスの可視化は改善の第一歩です。BPMN(Business Process Model and Notation)やフローチャートを用いることで、複雑な業務の流れを図式化し、誰でも理解できる形に整理できます。これにより、業務の重複や無駄を発見しやすくなり、改善の方向性を明確にすることができます。
ERP・CRM・SCMとの連携が重要です。
ERP(統合基幹業務システム)は会計や人事、生産管理などを一元的に管理し、組織全体の効率化を支えます。CRM(顧客関係管理システム)は顧客情報や営業活動を統合し、顧客満足度の向上に直結します。SCM(サプライチェーン管理システム)は調達から販売までの流れを最適化し、在庫や物流の効率化を実現します。これらのシステムは業務プロセスと密接に結びついており、連携させることで組織全体のパフォーマンスを高めることができます。



ERPとCRMとSCMは、情報システム分野の基礎知識として試験に高確率で出題されます。
いずれも企業活動を支える重要な概念なので、試験対策として必ず覚えておきましょう。
さらに、近年注目されているのが RPAやワークフローシステムによる自動化です。RPA(Robotic Process Automation)は定型的な事務作業をソフトウェアロボットに任せることで、人間はより付加価値の高い業務に集中できます。ワークフローシステムは承認や申請といった業務の流れを電子化し、スピードと透明性を向上させます。これらの自動化技術は、業務プロセスを効率化するだけでなく、ヒューマンエラーの削減やコンプライアンス強化にもつながります。



RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)もワークフローシステムも、情報システム分野の基礎知識として試験に高確率で出題されます。
いずれも企業の業務改善に直結する重要な概念なので、試験対策として必ず覚えておきましょう。
このように、業務プロセスとITは相互に補完し合う関係にあり、ITの導入や活用が業務改善の成果を大きく左右します。プロセスを可視化し、システムと連携し、自動化を進めることで、企業は競争力を高め、持続的な成長を実現できるのです。
モデル企業で学ぶ業務プロセス
ここでは、架空の中小企業「ITTI商事」を例に、受注から請求までの業務プロセスをストーリー形式で解説します。実際の企業活動をイメージしながら流れを追うことで、業務プロセスの重要性を直感的に理解できるようになります。
受注から請求までの流れ
ITTI商事は、地方で文房具を販売する中小企業です。ある日、顧客から大量のノートの注文が入りました。まず営業担当者が注文を受け付け、内容を販売管理システムに入力します。



これが業務プロセスの インプット です。
次に、在庫管理部門が注文内容を確認し、倉庫に十分な在庫があるかをチェックします。もし不足があれば仕入れ先に追加発注を行います。



この段階が 処理 にあたります。
在庫が確保できると、物流部門が商品を梱包し、配送業者に引き渡します。顧客のもとへ商品が届けられることで、業務プロセスは大きな成果を生み出します。最後に、経理部門が請求書を発行し、売上として記録します。



これが アウトプット です。
この一連の流れが「受注処理プロセス」であり、ITTI商事の販売活動を支える中心的な業務プロセスとなっています。
問題点の発見
しかし、このプロセスには課題も見えてきます。例えば、在庫確認に時間がかかり、出荷が遅れるケースがあること。また、請求書の発行が手作業で行われているため、入力ミスや送付漏れが発生することもありました。これらの問題は顧客満足度の低下や売上機会の損失につながりかねません。
改善提案(PDCAの実践)
そこでITTI商事は、PDCAサイクルを用いて改善に取り組みました。まず Plan(計画) として、在庫管理システムを強化し、リアルタイムで在庫状況を把握できる仕組みを導入することを決定しました。次に Do(実行) として、システムを導入し、担当者に操作研修を行いました。
その後 Check(評価) では、出荷リードタイムや請求書の誤送率を測定し、改善効果を確認しました。最後に Act(改善) として、さらに効率化を進めるために請求書発行を自動化するワークフローシステムを導入しました。
この取り組みにより、受注から請求までの流れが大幅にスピードアップし、顧客満足度も向上しました。ITTI商事の事例は、業務プロセスを可視化し、問題点を発見し、PDCAを回すことで組織の成長につながることを示しています。
業務プロセス改善のステップ
業務プロセスを改善するためには、体系的なステップを踏むことが重要です。単なる部分的な効率化ではなく、組織全体の流れを見直し、持続的に改善を続けるためには「As-Is」「To-Be」「ギャップ分析」「成果測定と継続的改善」という流れで取り組むのが効果的です。
まず最初に行うのは 現状分析(As-Is) です。現在の業務プロセスを可視化し、どのような流れで業務が進んでいるのかを正確に把握します。フローチャートや業務マップを用いて、業務の開始から終了までを整理することで、無駄な手順やボトルネックを発見しやすくなります。
次に進めるのが 理想状態の設計(To-Be) です。現状を踏まえたうえで、組織が目指すべき理想的な業務プロセスを描きます。ここでは効率性だけでなく、顧客満足度や品質向上、従業員の負担軽減なども考慮し、将来的に望ましい姿を設計します。
その後に行うのが ギャップ分析と改善施策の立案 です。現状(As-Is)と理想(To-Be)の間にある差を明確にし、そのギャップを埋めるための具体的な改善施策を検討します。例えば、在庫管理の遅れが課題であれば、システム導入や業務フローの見直しといった施策が考えられます。
最後に重要なのが 成果測定と継続的改善 です。改善施策を実行した後は、KPI(重要業績評価指標)を設定して効果を測定し、改善の成果を客観的に評価します。その結果を踏まえて再度プロセスを見直し、PDCAサイクルを回すことで、業務プロセスは継続的に進化していきます。



このように、業務プロセス改善は一度で終わるものではありません。
現状把握から理想設計、ギャップ分析、成果測定を繰り返すことで、組織の競争力を高める持続的な活動となります。
よくある誤解と落とし穴
業務プロセスを理解・改善する際には、いくつかの誤解や落とし穴に注意する必要があります。代表的なものが「業務プロセス=マニュアル」と捉えてしまうこと、そして「IT導入=即効で効率化」と思い込んでしまうことです。
まず、「業務プロセス=マニュアル」ではないという点です。マニュアルは作業手順を記録した文書であり、個々の業務を遂行するための指示書に過ぎません。一方、業務プロセスは組織全体の活動の流れを体系的に捉えたものであり、単なる手順書以上の意味を持ちます。プロセスを理解することで、業務がどのように連携し、価値を生み出しているのかを把握できるのです。もし業務プロセスをマニュアルと同一視してしまうと、部分的な作業改善に終始し、全体最適の視点を失ってしまう危険があります。
次に、「IT導入=即効で効率化」ではない理由についてです。確かにERPやRPAなどのITツールは業務効率化に大きな効果を発揮しますが、導入すればすぐに成果が出るわけではありません。業務プロセスが整理されていない状態でシステムを導入すると、むしろ混乱や非効率を招くことがあります。ITはあくまで業務プロセスを支える道具であり、プロセスそのものが明確に定義され、改善の方向性が定まっていることが前提です。つまり、IT導入は「魔法の杖」ではなく、業務プロセス改善の一環として計画的に活用する必要があるのです。



このように、業務プロセスを正しく理解しないまま取り組むと、部分最適や過度な期待による失敗につながります。誤解を避け、全体の流れを俯瞰しながらITを活用することが、真の効率化と組織の成長につながります。



今回の記事は試験に高確率で出題される内容です。ここまでのポイントを整理して、自分の理解度を確認してみましょう。









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