基本情報技術者に出る企画と要件定義の違いについて

目次

企画と要件定義の全体像

企画は「なぜやるのか」を定義し、要件定義は「どうやるか」を設計する。両者はプロジェクトの上流工程であり、企画が曖昧だと要件定義が迷走し、要件定義が不十分だと開発が破綻する。つまり、両者は車の両輪であり、どちらか一方が欠けても前に進めない

オルビナ/基本情報技術者専門官

わかりやすく言えば、企画がない状態で要件定義を進めると「目的が不明だから、とりあえずボタンでも作ろう」といった場当たり的な仕様に陥る。

一方、要件定義がない状態で企画だけが存在すると「国を喜ばせるためのシステムを作ろう!」と大きな旗は立つものの、具体的な設計がなく「で、どうするの?」で終わってしまう。結果として、行動に移せず空論に終わります。

企画フェーズの深掘り

企画は単なるアイデアではなく、いくつかの重要な要素を含んでいる必要があります。まずは課題発見です。現状の問題を明確にすることで、企画の出発点が定まります。例えば「地方学校のICT環境が不足している」という課題を見つけることが第一歩になります。

次に仮説構築があります。課題を解決するための仮説を立てることで、企画の方向性が見えてきます。たとえば「クラウド教材を導入すれば学習効率が改善する」という仮説です。

さらにターゲット分析も欠かせません。企画は誰に価値を届けるのかを明確にする必要があります。教師、生徒、教育委員会など、対象を具体的に設定することで企画の焦点がぶれなくなります。

企画の成果を測るためにはKPI設計が必要です。導入校数や学習到達度といった指標を設定することで、企画の成功を客観的に評価できます。

最後に競合調査を行い、既存サービスとの差別化要因を明確にします。市場に似たサービスがある場合、自分たちの企画がどこで優位性を持つのかを示すことが重要です。これは「自分たちの強みはここだ」とアピールすることで、自然と自分に合ったユーザーが集まりやすくなる効果もあります。

オルビナ/基本情報技術者専門官

このように企画書は「課題 → 仮説 → 解決策 → 成果指標」という流れで構成すると、説得力が増し、実行可能な計画として成立します。

要件定義フェーズの深掘り

要件定義は、企画で描いた方向性を技術的に落とし込み、実際のシステムやサービスに反映させるための工程です。ここではいくつかの観点を押さえることが欠かせません。

まずは機能要件です。これはシステムが提供すべき具体的な機能を定義するもので、例えば「教材を配信する機能」や「学習進捗を管理する機能」などが挙げられます。つまり、機能が見えます。

次に非機能要件があります。これは機能そのものではなく、システムの性能やセキュリティ、運用性といった品質面を定義するものです。例えば「同時接続数に耐えられる設計」や「通信を暗号化する仕組み」などが該当します。つまり、機能が見えません。

さらに業務フロー定義も重要です。利用者がどのような手順でシステムを操作するのかを図解し、関係者全員が同じ理解を持てるようにします。

加えてユースケース記述を行い、利用者がシステムをどのように使うのかを具体的なシナリオとして文章化します。これにより、要件が机上の空論ではなく、実際の利用場面に即したものになります。
要するに、妄想は簡単に再現できるけど、実際にやってみると難しい。だから、ユーザーが理解するまでに対話するって感じです。

最後に優先度付けを行います。すべての要件を一度に満たすことは難しいため、「必須要件」と「将来拡張要件」を分けて整理することで、開発のスコープを現実的にコントロールできます。

オルビナ/基本情報技術者専門官

「将来拡張要件」とは、現時点では必須ではないけれど、今後必要になる可能性がある機能や仕組みを指します。

オルビナ/基本情報技術者専門官

このように要件定義書は「機能一覧」「非機能要件」「業務フロー」「ユースケース」を柱として構成すると網羅性が高まり、関係者間での認識のズレを防ぐことができます。結果として、企画を確実に実現へとつなげるための強固な設計図になります。

成功する企画のプロセス

企画を成功へと導くためには、いくつかのステップを踏むことが重要です。まずは課題を定義します。現状の問題を明確にすることで、企画の出発点が定まります。次に仮説を立てることで、その課題をどのように解決できるかの方向性を示します。

その仮説を裏付けるためにリサーチを行い、データや事例を集めて企画の根拠を強化します。続いて、これらを整理して企画書を作成し、具体的な計画として形にします。

企画書ができたら、関係者レビューを通じて多角的な視点から検証し、必要な修正を加えます。そして最終的に承認を得ることで、企画は正式に動き出す準備が整います。

この一連の流れを踏むことで、企画は単なる「思いつき」から脱却し、現実に実行可能な計画へと昇華していくのです。

要件定義の具体的進め方

要件定義を進める際には、いくつかのステップを踏むことが重要です。まずはヒアリングです。ステークホルダーから要望を収集し、現場のニーズや期待を正しく把握します。次に要件整理を行い、集めた要望を「機能要件」と「非機能要件」に分類して構造化します。

その後、整理した内容をドキュメント化し、要件定義書としてまとめます。これにより、関係者全員が同じ情報を共有できる状態になります。続いてレビューを実施し、関係者全員で内容を確認します。この段階で認識のズレや不足を修正しておくことが不可欠です。

最後に合意形成を行い、承認を得て次の工程へ進みます。ここでレビューを怠ると、後工程で「仕様変更地獄」に陥り、開発が混乱する原因となります。要件定義は単なる文書作成ではなく、関係者間の合意を築くための重要なプロセスなのです。

オルビナ/基本情報技術者専門官

監査の視点を取り入れることも有効です。監査を通じて法令や規制に従った要件定義書を発行できれば、プロジェクトの信頼性が高まり、後々のリスクを大幅に減らすことができます。

よくある失敗と対策

要件定義の現場では、いくつかの典型的な失敗が繰り返し発生します。まず多いのがスコープ肥大化です。開発途中で「あれも必要だ」「これも追加したい」と要件が膨らみすぎてしまうケースです。これを防ぐためには、必須要件と将来拡張要件を明確に分離し、優先度を整理しておくことが効果的です。

次に挙げられるのが曖昧な要件です。「便利な機能が欲しい」といった抽象的な表現では、開発側が具体的に何を作ればよいのか判断できません。対策としては、ユースケースを用いて利用者の行動を具体的なシナリオに落とし込み、要件を明確化することが重要です。

また、認識ズレもよくある問題です。関係者ごとに要件の理解が異なり、後になって「そんな仕様だとは思わなかった」というトラブルにつながります。これを防ぐには、レビューを複数回実施し、認識をすり合わせるプロセスを設けることが有効です。

最後にレビュー不足があります。レビューを十分に行わないまま次工程へ進んでしまうと、後から仕様変更が頻発し、開発が混乱します。対策としては、承認プロセスを明文化し、レビューを必ず経てから合意形成に進む仕組みを整えることが必要です。

オルビナ/基本情報技術者専門官

ここまでを整理すると、企画は経営者が方向性を決める工程であり、要件定義はユーザーの希望を聞き取り、具体的な仕様に落とし込む工程だと理解できます。両者をつなぐうえで最も重要なのはコミュニケーション力です。コミュニケーション力が高ければ高いほど、要件を明確にするスピードが速くなり、開発の混乱を防ぐことができます。逆にこれを欠けていると、企画と要件定義の間にズレが生じ、開発側が迷走してしまいます。

この点は基本情報技術者試験でもよく問われる内容なので、しっかり覚えておくと安心です。

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この記事を書いた人

ITTIのアバター ITTI 運営長

私はフロントエンドエンジニアを目指す初心者で、ITパスポートを取得済みです。現在はCopilotを活用しながらAIや最新のIT技術を学び、日本の開発現場で求められるチーム開発やセキュリティの知識を吸収しています。学んだことはコードや仕組みを整理し、わかりやすく発信することで、同じ学びの途中にいる人たちの力になりたいと考えています。

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