基本情報技術者に出るRFIとRFPについて

RFIとは？：情報収集のための第一歩

RFI（Request for Information）は、その名の通り「情報提供依頼書」。まだ要件が固まっていない段階で、ベンダーから広く情報を集めるために使います。

たとえば、「AIを活用した業務効率化をしたいけど、どんな技術があるのか分からない」といった初期段階。そんなとき、複数のベンダーにRFIを送ることで、技術動向や対応可能範囲、導入事例などの情報を得られます。

RFIの目的は以下の通り：

• 市場や技術の動向を把握する
• ベンダーの対応力や専門性を見極める
• 要件定義の材料を集める

つまり、RFIは「対話の入り口」。この段階では、まだ価格や納期の詳細を詰める必要はありません。

RFPとは？：具体的な提案を求めるフェーズ

RFP（Request for Proposal）は、要件がある程度固まった段階で、ベンダーに対して具体的な提案や見積もりを依頼する文書です。

RFIで得た情報をもとに、社内で要件を整理し、プロジェクトの目的・背景・機能要件・非機能要件・評価基準などを明文化して提示します。

RFPの目的は：

• ベンダーからの具体的な提案を受け取る
• 提案内容を比較し、最適なパートナーを選定する
• 契約条件や予算、納期などを明確にする

RFPは「選定の基準」となる重要なドキュメントです。ここでの曖昧さは、後のトラブルや手戻りの原因になります。

RFIとRFPの違いを一言で言うと？

• RFI：情報収集のための質問状
• RFP：提案と見積もりを求める依頼書

この違いを理解していないと、「RFIで済む案件なのに、いきなりRFPを出してしまい、ベンダーが困惑した」なんてことも起こりがちです。

実務での使い分け：RFI→RFPの流れが基本

調達や外注のプロセスを円滑に進めるためには、段階を踏んで進めることが理想的です。

まず最初にRFIを発行し、市場調査や技術動向を把握するとともに、複数のベンダーをスクリーニングします。その後、RFIで得られた回答をもとに社内で要件を整理し、必要な機能や条件を明確化します。最後にRFPを発行し、具体的な提案や見積もりを依頼して評価・選定へと進みます。

このような順序を守ることで、ベンダーとの認識のズレを防ぎ、提案の質を高めることができ、結果としてプロジェクトの成功率も向上します。

まとめ：RFIとRFPは「目的」で使い分けよう

RFIとRFPは、どちらも調達・外注プロセスにおける強力なツールです。でも、「何を求めているのか」を明確にしないと、かえって混乱を招くこともあります。

• 情報が欲しいならRFI
• 提案が欲しいならRFP

このシンプルな原則を押さえたうえで、案件のフェーズや目的に応じて適切に使い分けましょう。そうすれば、プロジェクトの成功率も、ベンダーとの信頼関係も、ぐっと高まるはずです。