はじめに
墨蘭/情報セキュリティマネジメント副専門官「情報セキュリティリスク対応」という言葉を聞いて、ちょっと難しそう…と思うかもしれませんが、実は私たちの生活にも深く関わっているんです!
しかし、これは企業だけでなく、私たち一人ひとりにも関係する重要な概念です。



本記事では、情報セキュリティリスク対応の基本的な意味と、2026年の最新動向について、わかりやすく解説します。
情報セキュリティリスク対応の基本的な意味



情報セキュリティリスク対応とは、簡単に言えば「デジタル情報を守るために、起こりうる危険を予測し、適切な対策を講じること」です。
具体的には以下の4つのステップで構成されます。
1. リスクの特定 どんな危険があるかを見つけ出すこと。例えば、ハッカーによる不正アクセス、ウイルス感染、従業員による情報漏洩などが考えられます。
2. リスクの分析・評価 見つけた危険がどれくらい深刻か、どれくらいの確率で起こりうるかを判断します。重要な顧客情報が漏れる危険性は高く評価され、優先的に対応すべきと判断されます。
3. リスク対応の選択 リスクをどう扱うか決めます。主な選択肢は以下の通りです。
- 回避: リスクを生む活動自体をやめる
- 低減: セキュリティ対策を強化してリスクを小さくする
- 移転: 保険に加入するなど、リスクを他に移す
- 受容: 対策コストが高すぎる場合、そのリスクを受け入れる
4. 対策の実施と監視 決めた対策を実行し、効果があるか継続的にチェックします。状況が変われば対策も見直す必要があります。
2026年の最新動向





2026年は、日本の情報セキュリティ対応において大きな転換点となる年です!
1. サプライチェーン評価制度の開始
経済産業省が2026年10月から「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」を運用開始する予定です。これは企業のセキュリティ対策を★3から★5までの段階で評価する制度で、取引先を選ぶ際の基準として活用されます。
つまり、セキュリティ対策がしっかりしていない企業は、取引先から敬遠される可能性が高まるということです。中小企業にとっても、もはや「うちは小さいから大丈夫」とは言えない時代になりました。
2. AI関連のリスク急増
2026年はAI技術の普及により、新たなセキュリティリスクが顕在化しています。
AIを悪用した攻撃の高度化 攻撃者は生成AIを使って、極めて自然で説得力のあるフィッシングメールを大量に作成できるようになりました。音声やビデオのディープフェイク技術も進化し、上司や取引先になりすました詐欺が増えています。
AIエージェントの脆弱性 業務効率化のために導入されるAIエージェントが、逆にセキュリティの弱点となるケースも報告されています。AIに広範な権限を与えすぎると、そのAIが乗っ取られた際の被害が甚大になります。
バイブコーディングのリスク AIにプロンプトを送信してプログラムを生成する「バイブコーディング」が普及していますが、AIが生成したコードの約45%に安全性の問題があることが判明しています。便利さの裏に潜むリスクへの注意が必要です。
3. ランサムウェア攻撃の変化
ランサムウェア攻撃(データを暗号化して身代金を要求する攻撃)の手法が変化しています。単なるデータ暗号化から、盗んだデータを分析して最も価値のある情報を特定し、それを公開すると脅して金銭を要求する手法にシフトしています。
AIを使って窃取したデータから機密情報を効率的に抽出できるようになったため、被害の深刻度が増しています。
4. ゼロトラストの普及
従来の「社内ネットワークは安全」という考え方から、「すべてを疑う」ゼロトラストという考え方への転換が進んでいます。調査によると、81%の組織が2026年までにゼロトラスト導入を計画しています。
これは、社内からのアクセスであっても、毎回認証を求め、必要最小限の権限のみを与えるという厳格なアプローチです。
5. 人的要因の重要性
技術が進化しても、結局最後の防衛線は「人」です。2026年の対策では以下が重視されています。
- 不審なメールやリンクを見分ける訓練
- 緊急時の連絡体制の整備
- 各担当者の役割と責任の明確化
- 定期的なセキュリティ教育
私たちができること





一般の方でも、以下のような基本的な対策が重要です。
- 強力なパスワードの使用: 使い回しを避け、各サービスで異なるパスワードを設定
- 二段階認証の有効化: 可能な限り二段階認証を設定する
- 定期的なソフトウェア更新: セキュリティパッチを適用する
- 不審なメールへの警戒: 知らない送信者からのリンクや添付ファイルは開かない
- バックアップの習慣: 重要なデータは定期的にバックアップを取る
まとめ
情報セキュリティリスク対応とは、デジタル社会における「保険」のようなものです。リスクを特定し、評価し、適切な対策を講じることで、情報資産を守ります。
2026年は、AI技術の進化、政府主導の評価制度導入、攻撃手法の高度化など、セキュリティ環境が大きく変化する年です。企業だけでなく、個人もセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが求められています。
「自分には関係ない」ではなく、「明日は我が身」という意識を持って、できることから始めることが大切です。セキュリティ対策は決して難しいものばかりではありません。基本的な習慣を身につけることで、多くのリスクを回避できます。



2026年、私たち一人ひとりがセキュリティの担い手として、より安全なデジタル社会を築いていきましょう。










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