【真面目版】応用情報技術者試験とは?IT業界で「一歩先」を目指す人のための国家資格

目次

はじめに

霄理/応用情報技術者専門官

「IT系の資格を取りたいけど、何から始めればいいかわからない」「基本情報技術者は聞いたことがあるけど、応用情報技術者って何が違うの?」…。そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

応用情報技術者試験(略称:AP)は、日本の経済産業省が認定する国家試験のひとつです。ITに関する幅広い知識と応用力を問う試験であり、IT業界で働く人にとっては「中堅レベルの実力を証明する資格」として広く認知されています。

この記事では、ITに詳しくない方でも理解できるように、応用情報技術者試験の全体像をわかりやすく解説していきます。

そもそも「情報処理技術者試験」って何?

霄理/応用情報技術者専門官

応用情報技術者試験を理解するためには、まず「情報処理技術者試験」という制度全体を知っておくと便利です。

情報処理技術者試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家試験の総称です。ITに関する知識やスキルを客観的に評価するための試験で、レベル1からレベル4まで段階的に分かれています。

身近な例でたとえるなら、車の免許のようなものです。普通免許があり、大型免許があり、さらに特殊な免許がある。情報処理技術者試験も同じように、基礎レベルから専門レベルまで段階が設けられています。

具体的には以下のような構成になっています。

  • レベル1:ITパスポート(すべての社会人向けの入門資格)
  • レベル2:基本情報技術者(IT業界で働く人向けの基礎資格)
  • レベル3:応用情報技術者(実務経験を踏まえた応用力を問う資格)
  • レベル4:高度情報処理技術者(ネットワーク、データベース、セキュリティなどの専門資格)

つまり応用情報技術者試験は、ITの世界における「中級〜上級への入り口」に位置する資格だといえます。

応用情報技術者試験の概要

試験の基本情報

応用情報技術者試験は、毎年春(4月)と秋(10月)の年2回実施されます。受験資格に制限はなく、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。高校生や大学生が挑戦するケースも珍しくありません。

試験は午前と午後の2部構成になっています。

午前試験は、四肢択一(4つの選択肢から1つを選ぶ)形式で80問出題されます。試験時間は150分(2時間30分)です。テクノロジ(技術)、マネジメント(管理)、ストラテジ(経営戦略)の3つの分野からバランスよく出題されます。

午後試験は、記述式の問題が出題されます。試験時間は同じく150分で、11問の中から5問を選択して解答します(うち情報セキュリティの1問は必須)。こちらは単に知識を覚えているだけでは対応できず、問題文を読み解き、自分の言葉で解答を記述する力が求められます。

合格基準は、午前・午後ともに60点以上(100点満点中)です。どちらか一方でも60点に満たなければ不合格となります。

受験料

受験手数料は7,500円(税込)です。国家試験としては比較的リーズナブルな価格設定といえるでしょう。

どんな内容が出題されるの?

霄理/応用情報技術者専門官

応用情報技術者試験の出題範囲は非常に広いのが特徴です。ITの技術的な知識だけでなく、経営やマネジメントに関する知識も問われます。

テクノロジ系(技術分野)

コンピュータの基本的な仕組み、プログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、ITの根幹をなす技術的な内容が出題されます。たとえば「データをどのように効率よく保存・検索するか」「インターネットの通信はどのような仕組みで動いているか」「サイバー攻撃からシステムを守るにはどうすればよいか」といったテーマです。

数学的な基礎知識(2進数、確率、統計など)も必要ですが、高度な数学が求められるわけではなく、高校数学レベルの知識があれば十分対応できます。

マネジメント系(管理分野)

ITプロジェクトの進め方、スケジュール管理、品質管理、ITサービスの運用方法などが出題されます。たとえば「大きなシステム開発を、どのように計画し、チームを組織し、期日通りに完成させるか」といった、実務に直結する内容です。

これは、ITの現場では「技術がわかるだけ」では不十分で、プロジェクトを円滑に進めるための管理能力も求められるからです。

ストラテジ系(経営戦略分野)

企業の経営戦略、マーケティング、財務会計、法務(知的財産権や個人情報保護法など)に関する知識が問われます。「ITを使って企業の競争力をどう高めるか」「新しいシステムを導入する際の費用対効果をどう評価するか」といった、ビジネスの視点からITを捉える力が試されます。

このように、応用情報技術者試験は「技術」「管理」「経営」の3つの柱をバランスよく学ぶことが求められる、総合力重視の試験です。

合格率と難易度

霄理/応用情報技術者専門官

応用情報技術者試験の合格率は、例年おおよそ20〜25%程度で推移しています。受験者の4人に1人が合格するイメージです。

比較対象として、ITパスポートの合格率は約50%、基本情報技術者の合格率は約25〜40%程度です。応用情報技術者は、これらよりも一段階難易度が高い試験だといえます。

ただし、しっかりと計画的に勉強すれば、IT業界未経験の方でも合格は十分に可能です。一般的に、IT業界での実務経験がある方で200〜500時間、まったくの初学者であれば500〜800時間程度の学習時間が目安とされています。

応用情報技術者を取得するメリット

1. 就職・転職で有利になる

応用情報技術者は国家資格であり、IT業界で広く認知されています。履歴書に書けば、「この人はITの基礎から応用まで幅広い知識がある」という証明になります。特にIT企業への就職・転職では、書類選考の段階でプラスに働くことが多いでしょう。

2. 社内での評価アップ・資格手当

多くのIT企業では、応用情報技術者の取得に対して資格手当や一時金を支給しています。月額5,000円〜20,000円程度の手当がつく企業もあり、長い目で見ると大きな収入アップにつながります。また、昇進や昇格の条件として応用情報技術者の取得を求める企業もあります。

3. 高度試験への足がかりになる

応用情報技術者に合格すると、レベル4の高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士など)の午前I試験が2年間免除されます。これは、より専門的な資格にステップアップしたい方にとって大きなメリットです。

4. 公的な場面での優遇

応用情報技術者の資格は、警察や自衛隊などの公務員採用試験で加点対象になる場合があります。また、中小企業診断士試験の一部科目が免除されるなど、IT以外の資格試験にも波及効果があります。

5. 自分自身の成長

試験勉強を通じて、IT技術だけでなく、経営やマネジメントの知識も体系的に学べます。これは日々の仕事や将来のキャリアにおいて、大きな財産になるはずです。「なんとなくわかっていたこと」が「きちんと理解できている」に変わる感覚は、合格者の多くが実感しています。

効果的な勉強法

午前対策:過去問を繰り返す

午前試験の最大の特徴は、過去に出題された問題がかなりの確率で再出題されることです。そのため、過去問を繰り返し解くことが最も効率的な勉強法になります。直近5〜10年分の過去問を3周以上解けば、午前試験の合格ラインに達する方が多いです。

「応用情報技術者試験ドットコム」などの無料学習サイトを活用すれば、スマートフォンでも手軽に過去問演習ができます。通勤時間やスキマ時間を活用するのがおすすめです。

午後対策:得意分野を見極めて選択する

午後試験では11問中5問を選択するため、すべての分野を完璧に勉強する必要はありません。自分の得意な分野や興味のある分野を5〜7つ程度に絞り、重点的に対策するのが効率的です。

午後試験は「国語力」も重要です。問題文が長文であり、その中から必要な情報を読み取って解答する力が求められます。過去問を解く際は、時間を計りながら本番に近い環境で練習することをおすすめします。

おすすめの参考書

書店に行けば多くの参考書が並んでいますが、まずは1冊の総合テキストを通読し、全体像を把握することが大切です。その後、分野別の問題集や過去問題集で実践力を高めていくのが王道の学習スタイルです。

基本情報技術者との違い

霄理/応用情報技術者専門官

「基本情報技術者を飛ばして、いきなり応用情報技術者を受けてもいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。結論からいうと、受験資格に制限はないため、基本情報技術者を取得していなくても応用情報技術者を受験できます。

両者の大きな違いは、午後試験の形式です。基本情報技術者の午後試験は多肢選択式ですが、応用情報技術者の午後試験は記述式です。つまり、自分の言葉で解答を書く力が求められます。

また、出題内容のレベルも異なります。基本情報技術者が「知識を正確に覚えているか」を問うのに対し、応用情報技術者は「知識を使って問題を分析・解決できるか」を問います。名前の通り、「基本」に対する「応用」というわけです。

とはいえ、プログラミングが苦手な方にとっては、むしろ応用情報技術者の方が取り組みやすいという意見もあります。基本情報技術者ではプログラミング問題が必須ですが、応用情報技術者では選択制のため、プログラミング問題を避けることもできるからです。

どんな人におすすめ?

霄理/応用情報技術者専門官

応用情報技術者試験は、以下のような方に特におすすめです。

IT業界で働いており、自分のスキルを客観的に証明したい方。IT業界への就職・転職を考えている方。基本情報技術者に合格し、さらにステップアップしたい方。将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指している方。そして、IT以外の業界にいるが、ITリテラシーを高めたい方にもおすすめです。

特に近年は、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでおり、IT以外の業界でもITの知識が求められる場面が増えています。応用情報技術者の知識は、どの業界で働く方にとっても役立つ「教養」としての価値があります。

まとめ

応用情報技術者試験は、ITの技術、マネジメント、経営戦略の3つの分野を総合的に問う国家資格です。合格率は約20〜25%と決して簡単ではありませんが、計画的に学習すれば誰でもチャレンジできる資格です。

取得によって得られるメリットは、就職・転職での優位性、社内評価の向上、高度資格へのステップアップ、そして何より自分自身の成長と幅広い知識の獲得です。

霄理/応用情報技術者専門官

ITの世界で「一歩先」を目指したい方、自分の実力を形にしたい方は、ぜひ応用情報技術者試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。試験勉強を通じて身につけた知識は、合格・不合格にかかわらず、必ずあなたのキャリアの糧になるはずです。

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この記事を書いた人

ITTIのアバター ITTI 運営長

ITTI運営長
調べものと学ぶことが止められなくなり、現在は以下の4ブログを運営中:
・DXブログ(今ここ!)
・CODEブログ
・INFRAブログ
・XRブログ

保有資格:ITパスポート
目標資格:情報処理安全確保支援士(学ぶこと多すぎて道のりは遠いですが、毎日コツコツ進めています…泣)

ブログでは、実務経験と最新技術を掛け合わせて、読者の「わかりにくい」を「わかる!」に変える記事を発信中!
最終目標は、これらの知識を活かして「ドラえもんのような万能AI」を開発すること(AIを副運営長任命が待ち遠しい!)。
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