はじめに
幽灯子/基本情報技術者副専門官コンピュータは、データをどうやって・いつ処理するかによって、いくつかのタイプに分かれます。普段スマホやパソコンを使っているだけでは意識しませんが、裏側ではさまざまな「処理の仕方」が使い分けられています。
この記事では、基本情報技術者試験に登場する 5つの代表的な処理方式 を、日常生活のたとえを使いながら解説します。
1. バッチ処理(一括処理)
どんな処理?
データをある程度まとめてから、一気にドーンと処理する 方式です。「すぐに結果がほしい!」というよりは、「まとめてやった方が効率がいい」場面で使われます。
日常のたとえ
洗濯物を1枚ずつ洗うのではなく、洗濯カゴがいっぱいになってからまとめて洗濯機を回す イメージです。
具体例
- 毎月の給与計算(月末にまとめて全社員分を計算)
- 電気・ガスなどの料金計算
- 銀行の夜間に行われる振込処理
ポイント
- メリット: コンピュータの資源を効率よく使える
- デメリット: 処理結果が出るまでに時間がかかる(即時性がない)
2. リアルタイム処理(即時処理)
どんな処理?
データが発生した その瞬間に、すぐ処理して結果を返す 方式です。「待てない!今すぐ結果がほしい!」という場面で使われます。
日常のたとえ
コンビニのレジでバーコードを「ピッ」とすると、その場で金額が表示される のがまさにこれ。1日分をまとめて計算していたら大変ですよね。
具体例
- 銀行ATMでの預金引き出し
- 飛行機や新幹線の座席予約システム
- オンラインショッピングの在庫確認
ポイント
- メリット: すぐに最新の結果が得られる
- デメリット: 常にシステムを稼働させておく必要があり、コストがかかる
3. オンライントランザクション処理(OLTP)
どんな処理?
リアルタイム処理の仲間で、特に 「一連の処理をまとめて1つの取引(トランザクション)として扱う」 のが特徴です。途中で失敗したら全部なかったことにする、という安全装置がついています。
日常のたとえ
銀行振込を考えてみてください。「Aさんの口座から1万円を引く」→「Bさんの口座に1万円を足す」という2つの処理は、必ずセットで成功しないとダメ ですよね。片方だけ成功して片方が失敗したら、お金が消えてしまいます。この「全部成功か、全部取り消しか」を保証するのがトランザクション処理です。
具体例
- 銀行の口座振替
- クレジットカード決済
- ネット通販の注文確定処理
ポイント
- 処理の 信頼性・整合性 がとても重要な場面で使われる
- 「ACID特性」(原子性・一貫性・独立性・耐久性)という4つのルールで安全を守る
4. 対話型処理(インタラクティブ処理)
どんな処理?
ユーザーが操作するたびに、コンピュータが 応答を返しながら進む 方式です。人間とコンピュータが「会話」しているようなイメージです。
日常のたとえ
まさに今あなたがやっている スマホやパソコンの操作そのもの です。アイコンをタップすればアプリが開き、文字を入力すれば画面に表示される。ユーザーの操作に逐一反応してくれます。
具体例
- パソコンでの文書作成(WordやGoogleドキュメント)
- Webブラウザでのネットサーフィン
- AIチャットボットとの会話
ポイント
- ユーザーの入力 → コンピュータの応答 → ユーザーの入力… というキャッチボールが繰り返される
- バッチ処理と対照的な処理方式
5. タイムシェアリングシステム(TSS)
どんな処理?
1台のコンピュータを 複数のユーザーで時間を細かく区切って共有する 方式です。ものすごく短い時間で順番にユーザーの処理を切り替えるので、全員が「自分専用のコンピュータを使っている」ように感じられます。
日常のたとえ
人気のキッチンを複数の料理人がシェアしているイメージです。1人が5分使ったら次の人に交代、また5分で交代…と ものすごい速さで順番が回る ので、全員がほぼ同時に料理できているように感じます。
具体例
- 大学や企業のサーバーに多数の端末から同時にログインして使う環境
- クラウドサービスの基盤技術
ポイント
- 各ユーザーに割り当てる時間の単位を 「タイムスライス」 と呼ぶ(試験に出ます!)
- CPUの処理速度が速いため、ユーザーは待ち時間をほとんど感じない
まとめ:5つの処理方式を比較


| 処理方式 | ひとことで言うと | 即時性 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| バッチ処理 | まとめてドーン | 低い | 給与計算、料金計算 |
| リアルタイム処理 | 今すぐ処理! | 高い | ATM、座席予約 |
| OLTP | 全部成功 or 全部取消 | 高い | 銀行振込、カード決済 |
| 対話型処理 | 会話しながら進む | 高い | 文書作成、Webブラウジング |
| TSS | みんなで分け合う | 高い※ | サーバー共有利用 |
※TSSは厳密にはわずかな遅延がありますが、体感上はほぼリアルタイムです。
試験対策ワンポイント
基本情報技術者試験では、以下のような出題パターンが多いです。
パターン① 具体的な場面が書かれていて、「これはどの処理方式か?」と聞かれる。たとえば「月末にまとめて処理する」と書いてあればバッチ処理、「端末からの要求に即座に応答する」と書いてあればリアルタイム処理です。
パターン② それぞれの処理方式の特徴やメリット・デメリットが問われる。バッチ処理は「効率的だが即時性がない」、リアルタイム処理は「即時性が高いがコストがかかる」といった対比を押さえましょう。
パターン③ TSSの「タイムスライス」やOLTPの「トランザクション」「ACID特性」など、キーワードの意味を問う問題も定番です。



この記事が参考になれば幸いです。身近な例と結びつけて覚えると、試験本番でも思い出しやすくなりますよ!














コメント