はじめに ― なぜこのテーマが大事なの?
幽灯子/基本情報技術者副専門官パソコンやスマホを使っていると、写真・文書・音楽などたくさんのファイルを扱います。これらのファイルをどうやってコンピュータが保存し、素早く見つけ出しているのか。その裏側の仕組みが「データ管理」と「ファイルシステム」です。
基本情報技術者試験では、このテーマから毎回のように出題されます。ここでは「図書館の本の管理」にたとえながら、ポイントを整理していきましょう。
第1章 ファイルとディレクトリ ― 本と本棚


ファイルとは?
ファイルとは、コンピュータがデータをひとまとめにして扱う単位です。たとえば「レポート.docx」や「写真.jpg」がファイルです。図書館にたとえると1冊の本にあたります。
ディレクトリ(フォルダ)とは?
ディレクトリは、ファイルを分類して入れておく入れ物です。図書館でいえば「棚」や「コーナー」のようなものです。ディレクトリの中にさらにディレクトリを作ることもでき、これを階層構造(ツリー構造)と呼びます。
(例)パソコンのフォルダ構造
Cドライブ(ルートディレクトリ)
├── ドキュメント
│ ├── 仕事
│ │ └── 報告書.docx
│ └── 個人
│ └── 日記.txt
├── 写真
│ └── 旅行.jpg
└── 音楽
└── お気に入り.mp3
パス(Path) ― 本の住所
ファイルの場所を示す文字列をパスと呼びます。2種類あることを押さえましょう。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 絶対パス | 一番上(ルート)からの完全な住所 | C:\ドキュメント\仕事\報告書.docx |
| 相対パス | 今いる場所からの道順 | ..\写真\旅行.jpg(「1つ上に戻って写真フォルダへ」) |
💡 試験ポイント:
..は「1つ上のディレクトリ」、.は「今いるディレクトリ」を意味します。パスをたどる問題は頻出です!
第2章 ファイルシステム ― 図書館の管理システム
ファイルシステムって何?
ファイルシステムとは、ハードディスクやSSDなどの記憶装置にファイルをどう配置して、どう管理するかのルール(仕組み)です。図書館にたとえると「蔵書管理システム」にあたります。
代表的なファイルシステム
| 名前 | 主な用途 | ひとこと |
|---|---|---|
| FAT32 | USBメモリなど | シンプルで互換性が高い。ただし1ファイル4GBまでの制限あり |
| NTFS | Windowsのメインドライブ | アクセス権限や暗号化など高機能 |
| ext4 | Linux | Linuxで最も一般的 |
| APFS | Mac / iPhone | Apple製品に最適化 |
ファイルの管理情報
ファイルシステムは、ファイルごとに次のような管理情報(メタデータ)を記録しています。
- ファイル名
- ファイルサイズ
- 作成日時・更新日時
- ファイルの場所(ディスク上のどこに保存されているか)
- アクセス権限(誰が読み書きできるか)
これらは図書館の「蔵書カード」のようなもので、本の中身(データ本体)とは別に管理されています。
第3章 データの記録方式 ― 本をどう棚に並べるか
順次アクセスとランダムアクセス
データの読み書きの方法には、大きく2つのタイプがあります。
順次(シーケンシャル)アクセス は、カセットテープのように先頭から順番にたどっていく方法です。途中のデータを読みたくても、そこまで早送りする必要があります。
直接(ランダム)アクセス は、CDやハードディスクのように目的の場所へ一気にジャンプできる方法です。辞書を引くとき、目次やインデックスを使って目的のページを直接開くのに似ています。
💡 試験ポイント:順次アクセスは磁気テープ、直接アクセスはハードディスク・SSDと結びつけて覚えましょう。
ファイル編成の種類
ファイルの中のデータをどう並べるかにも種類があります。
| 編成 | イメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| 順編成 | ノートに上から書いていく | まとめて読むのは速い。途中だけ読むのは遅い |
| 直接編成 | ロッカーに番号で収納 | 番号がわかれば一発で取り出せる |
| 索引順次編成(ISAM) | 辞書+索引(インデックス)つき | 索引でざっくり探してから順に読む。バランス型 |
| 区分編成 | 本棚を区画ごとに分ける | 大きなファイルを部品に分けて管理 |
第4章 データのバックアップ ― 保険をかけておく


なぜバックアップが必要?
ハードディスクの故障、ウイルス、うっかり削除……データが消えるリスクは常にあります。大切なデータを守るために、コピーを別の場所に保管しておくのがバックアップです。
3つのバックアップ方式
| 方式 | やること | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| フルバックアップ | すべてのデータを丸ごとコピー | 復旧がシンプル | 時間と容量がかかる |
| 差分バックアップ | 前回の「フル」から変わった部分だけコピー | フルより速い | 日が経つとデータ量が増える |
| 増分バックアップ | 前回の「バックアップ」から変わった部分だけコピー | 最も速い・省スペース | 復旧時にすべての増分が必要 |
💡 試験ポイント:「差分」と「増分」の違いは超頻出! 差分は「フルとの差」、増分は「前回との差」と覚えましょう。
第5章 記憶装置とデータの冗長化 ― RAID
RAIDとは?
RAID(レイド)は、複数のハードディスクを組み合わせて速度を上げたり、故障に備えたりする技術です。試験に出る代表的なものを押さえましょう。
| レベル | しくみ | 特徴 |
|---|---|---|
| RAID 0(ストライピング) | データを複数のディスクに分散して書き込む | 速いが、1台壊れると全データ消失 |
| RAID 1(ミラーリング) | 同じデータを2台に書き込む(コピー) | 1台壊れても大丈夫。ただし容量は半分 |
| RAID 5 | データ+修復用情報(パリティ)を分散配置 | 1台壊れても復旧可能。容量効率も良い |
💡 試験ポイント:RAID 0 は「速さ重視・安全性なし」、RAID 1 は「安全重視・容量半分」、RAID 5 は「バランス型」と整理しましょう。
第6章 データベースとの関係



ファイルシステムがファイルを1つ1つ管理するのに対し、大量のデータを効率的に扱うための仕組みがデータベースです。
ファイルシステムだけでは、たとえば「東京都に住む30代の顧客を全員抽出する」といった複雑な検索は大変です。データベース(特に関係データベース)はこうした操作を得意としています。
基本情報技術者試験では、データベースは別の大きなテーマとして出題されますが、「ファイルシステム=ファイル単位の管理」「データベース=データ単位の高度な管理」という違いを押さえておきましょう。
まとめ ― 試験直前チェックリスト
| テーマ | 押さえるべきキーワード |
|---|---|
| ファイルとディレクトリ | 階層構造、絶対パス、相対パス、ルートディレクトリ |
| ファイルシステム | FAT32、NTFS、メタデータ |
| アクセス方式 | 順次アクセス、直接アクセス |
| ファイル編成 | 順編成、直接編成、索引順次編成(ISAM) |
| バックアップ | フル、差分、増分の違い |
| RAID | RAID 0 / 1 / 5 の特徴 |
覚えるポイントは多いですが、「図書館の本の管理」というイメージを持っておくと、各テーマがつながって理解しやすくなります。



試験本番では、用語の意味を正確に押さえているかが問われるので、このチェックリストで最終確認してみてください。














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