はじめに
幽灯子/基本情報技術者副専門官「ネットワークって難しそう…」と感じていませんか?大丈夫です。ネットワークの仕組みは、実は「道路」と「住所」と「言語のルール」という3つの比喩でほとんど説明できます。この記事を読み終わる頃には、試験で頻出のネットワーク知識がスッキリ整理されているはずです。
ネットワークってそもそも何?





ネットワークとは、複数のコンピューターや機器をつなぎ合わせてデータをやりとりできる仕組みのことです。
身近な例で言えば、スマホで友人にLINEを送ったり、YouTubeで動画を見たり、オンラインゲームを遊んだりできるのは、すべてネットワークが動いているからです。
コンピューター同士が「荷物(データ)」をやりとりするための「道路網」だとイメージするとわかりやすいです。そして試験では、この道路網がどんなルールで動いているかを問われます。
OSI参照モデル——7層の「役割分担」



ネットワーク通信は7つの役割に分けて考えます。これをOSI参照モデルと呼びます。なぜ分けるかというと、「どこで問題が起きているか」を素早く特定するためです。宅配便の「集荷→仕分け→輸送→配達」のような流れと似ています。
第7層:アプリケーション層 ブラウザやメールアプリなど、ユーザーが直接触れる部分です。
第6層:プレゼンテーション層 データの形式変換・暗号化・圧縮を担当します。JPEGやMP4などの変換がここで行われます。
第5層:セッション層 通信の開始・終了・再開を管理します。会話の「はじめ」と「おわり」を仕切る役割です。
第4層:トランスポート層 データを確実に届けるための層です。後述するTCPとUDPがここで動きます。
第3層:ネットワーク層 IPアドレスを使って「どのルートで届けるか」を決めます。ルーターがこの層で活躍します。
第2層:データリンク層 同じネットワーク内での通信を担当します。MACアドレスを使い、スイッチがここで動きます。
第1層:物理層 ケーブルや電波など、物理的な信号の伝送を担う最も根本の層です。
試験では「ルーターは第何層か」「スイッチはどの層か」という形で出題されます。ルーター=第3層(ネットワーク層)、L2スイッチ=第2層(データリンク層)はセットで覚えましょう。
IPアドレス——インターネットの「住所」





手紙を送るには住所が必要なように、ネットワーク通信にもIPアドレスという住所が必要です。現在広く使われているIPv4は 192.168.1.10 のように、0〜255の数字を4つドットで区切った形式です。
IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つに分かれています。ネットワーク部は「どの丁目か」、ホスト部は「その丁目の何番地か」に相当します。そして「どこまでがネットワーク部か」を示すのがサブネットマスクです。
/24 と書かれていれば先頭24ビット(3オクテット分)がネットワーク部で、残り8ビットがホスト部です。この場合、同じネットワーク内に接続できる機器の数は最大254台です(2の8乗から2を引いた値。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除くため)。
また、家庭内や会社内でだけ使われるのがプライベートIPアドレス(192.168.x.xなど)で、インターネット全体で使われる世界に一つのものがグローバルIPアドレスです。家のルーターはNAT(ネットワークアドレス変換)という技術でこの二つを変換しています。
主要プロトコル——通信の「言語とルール」



プロトコルとは通信の約束事のことです。人間で言えば「同じ言語・敬語のルール」に相当します。プロトコル名とポート番号の組み合わせは試験の最頻出事項なので、必ず押さえましょう。
HTTP / HTTPSはWebページを閲覧するためのプロトコルで、ポート番号はそれぞれ80と443です。HTTPSはSSL/TLSで暗号化された安全版です。
TCP / UDPはデータの届け方に関するプロトコルです。TCPは「確実に届ける」方式で、メールやWebアクセスなど正確さが必要な通信に使われます。UDPは「速さ優先」の方式で、動画配信やオンラインゲームなど多少のデータ欠損より速度が重要な場面で使われます。
DNSはドメイン名(google.comなど)をIPアドレスに変換する「電話帳」のような仕組みです。ポート番号は53。これが動いていないとURLで通信できません。
DHCPはIPアドレスを自動で割り当てるプロトコルです。家のルーターがDHCPサーバーとして動いており、接続した機器に自動でIPアドレスを配ります。
SMTP / POP3 / IMAPはメール関連のプロトコルです。SMTPはメール送信(ポート25・587)、POP3はメール受信(ポート110)、IMAPは複数デバイスで同期しながら受信(ポート143)に使われます。
FTP / SSHはFTPがファイル転送(ポート20・21)、SSHが暗号化されたリモート操作(ポート22)です。セキュリティの観点からSSHが推奨されます。
LANとWAN——ネットワークの「規模」



LANは家やオフィスなど限られた範囲のネットワーク、WANは都市間・国間をつなぐ広域ネットワークです。インターネットはWANの代表例です。
有線LANの規格はEthernet(イーサネット)と呼ばれ、通信速度はMbps・Gbpsで表します。無線LANはIEEE 802.11シリーズで管理されており、Wi-Fi 6は802.11axという規格です。
ルーターとスイッチの違いも重要です。スイッチはMACアドレスを使って「同じネットワーク内」の機器をつなぐ機器です。ルーターはIPアドレスを見て「異なるネットワーク間」の通信を中継する機器です。家庭用Wi-Fiルーターは実はこの両方の機能を持っています。
ネットワークセキュリティ





セキュリティも毎回出題される重要分野です。ファイアウォールは設定したルールに基づき不正な通信を遮断する「番人」です。
VPNはインターネット上に仮想的な専用線を作る技術で、テレワークで社内ネットワークに安全につなぐために使われています。
攻撃手法としては、DoS攻撃(サービスを妨害する大量リクエスト)・フィッシング(偽サイトへ誘導して情報を盗む)・SQLインジェクション(データベースを不正操作)などの名前と内容を押さえておきましょう。
試験直前の確認リスト
OSI参照モデルの7層を順番に言えるか、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分けられるか、TCPとUDPの違いを説明できるか、主要プロトコルとポート番号の対応を言えるか、ルーターとスイッチの違いを説明できるか。この5点が完璧なら、ネットワーク分野はかなりの得点が期待できます。



「仕組みを理解する」アプローチで勉強すると、試験当日に問題を見ても答えを「思い出す」のではなく「考えて導ける」ようになります。














コメント