そもそも OS ってなに?
幽灯子/基本情報技術者副専門官スマホの「Android」や「iPhone の iOS」、パソコンの「Windows」や「Mac」。これらはすべて OS(Operating System=オペレーティングシステム) です。
OS を一言でいうと、「コンピュータ全体の “まとめ役”」 です。
たとえば、あなたが会社の社長だとします。社員(アプリ)がたくさんいて、会議室(メモリ)もプリンター(周辺機器)も限られています。誰がいつ会議室を使うか、プリンターの順番はどうするか。それを采配してくれるのが OS、つまり “優秀なオフィスマネージャー” のような存在です。
試験に出る OS の5大テーマ





基本情報技術者試験では、OS に関して大きく 5 つのテーマ が出題されます。順番に見ていきましょう。
① ジョブ管理 ─ 仕事の受付窓口
ジョブとは、ユーザーがコンピュータに頼む「ひとまとまりの仕事」のことです。
レストランに例えると、お客さんの注文(ジョブ)を受け取って、キッチンに伝え、料理が出来上がったらお客さんに届ける。この一連の流れを管理するのがジョブ管理です。
| 用語 | レストランでいうと | 意味 |
|---|---|---|
| スプーリング | 注文を紙に書いて厨房に貼る | 遅い装置(プリンタなど)の代わりに、いったんディスクにデータを溜めておく仕組み |
| ジョブスケジューリング | 注文の優先順位を決める | どのジョブを先に処理するか決めること |
② プロセス管理(タスク管理) ─ 同時にいくつもこなす技
スマホで音楽を聴きながら LINE をし、さらに地図アプリも開いている。こんなことができるのは、OS が 複数のプロセス(タスク)を上手に切り替えている からです。
プロセスの3つの状態
プロセスは、以下の 3つの状態 をぐるぐる行き来します。試験では状態遷移図がよく出題されます。


- 実行状態:CPU を使って処理中(料理を作っている最中)
- 実行可能状態:いつでも実行できるが、CPU の空きを待っている(コンロが空くのを待っている)
- 待ち状態:データの読み書きなどが終わるのを待っている(食材の配達を待っている)
CPUスケジューリング ─ 誰を先に処理する?
CPU は同時に 1 つの処理しかできません(マルチコアは別として)。そこで、どの順番で処理するかを決めるルールが必要です。試験に頻出のアルゴリズムを紹介します。
| 方式 | イメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| FCFS(到着順) | コンビニのレジの列 | 先に来た人から順番に処理。シンプルだが、長い処理があると後ろが詰まる |
| SJF(最短ジョブ優先) | 「お会計少ない人お先にどうぞ」 | 処理時間が短いものから実行。平均待ち時間は短いが、長い処理がいつまでも後回しになる危険 |
| ラウンドロビン | 回転寿司 | 一定時間ずつ順番に CPU を使わせる。公平で、対話型システムに最適 |
| 優先度方式 | VIP 優先入場 | 優先度の高いプロセスを先に実行。緊急の処理を素早くさばける |
③ メモリ管理 ─ 限られた机をどう使う?
メモリ(主記憶)は、CPU が直接読み書きできる 作業机 のようなものです。机の広さには限りがあるので、OS が上手にやりくりする必要があります。
仮想記憶(バーチャルメモリ)
実際のメモリ(物理メモリ)が足りないとき、ハードディスクの一部を 「仮のメモリ」として使う仕組み です。
机が小さくても、すぐ横に棚(ハードディスク)があれば、使わない資料を一時的に棚にしまって、必要になったら取り出せますよね。これが仮想記憶の考え方です。
ページング方式
仮想記憶でもっとも重要な方式が ページング です。
- メモリを 「ページ」 という同じサイズのブロックに分割する
- 必要なページだけをメモリに読み込み、不要なページはディスクに退避させる
- ディスクからメモリにページを持ってくることを ページイン、メモリからディスクに追い出すことを ページアウト という
スラッシング ─ 試験の頻出キーワード!
ページの入れ替えが激しくなりすぎて、本来の処理よりもページの出し入ればかりに時間を取られてしまう状態 をスラッシングといいます。
イメージ:机が小さすぎて、資料を棚から出しては戻し、出しては戻しの繰り返し。仕事が全然進まない!
ページ置換アルゴリズム
メモリが一杯のとき、どのページを追い出すかを決めるルールです。
| 方式 | 考え方 |
|---|---|
| FIFO(先入先出) | 一番古くからいるページを追い出す |
| LRU(最近最も使われていない) | 最後に使われてから一番時間が経ったページを追い出す(試験で特に重要!) |
④ ファイル管理 ─ データの整理整頓


パソコンの中には写真、文書、音楽など膨大なファイルがあります。これらを整理し、読み書きを管理するのもOSの仕事です。
ディレクトリ(フォルダ)構造
ファイルは 木構造(ツリー構造) で管理されます。一番上の根っこを ルートディレクトリ と呼びます。
ルートディレクトリ(/)
├── ドキュメント
│ ├── レポート.docx
│ └── メモ.txt
├── 写真
│ ├── 旅行
│ │ └── 海.jpg
│ └── 家族.jpg
└── 音楽
└── お気に入り.mp3
パスの指定方法
| 種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 絶対パス | ルートからの道順 | /写真/旅行/海.jpg |
| 相対パス | 今いる場所からの道順 | ../写真/旅行/海.jpg( ..は一つ上のフォルダ) |
⑤ 入出力管理 ─ 周辺機器との橋渡し
キーボード、マウス、プリンター、USBメモリなど、コンピュータにはたくさんの周辺機器がつながっています。これらと CPU の間を取り持つのが入出力管理です。
デバイスドライバ
OS が周辺機器を動かすための “通訳ソフト” です。新しいプリンターを買ったときに「ドライバをインストールしてください」と言われるのは、OS にその機器の “言葉” を教えてあげる作業です。
割り込み(インタラプト)
CPU が作業中に、周辺機器から「終わったよ!」という通知が届く仕組みです。
イメージ:あなたが書類仕事(CPU処理)をしていて、コピー機から「ピーッ」と完了音が鳴る。手を止めてコピーを取りに行き、戻ってきて書類仕事を再開する——これが割り込み処理です。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 内部割り込み | プログラム自身が原因(ゼロ除算エラーなど) |
| 外部割り込み | 周辺機器やタイマーからの通知 |
試験対策のポイントまとめ





試験に向けて、特に押さえておきたいポイントをまとめます。
- プロセスの3状態遷移図 は、図を見て状態と矢印の意味を即答できるようにしましょう
- ラウンドロビンや SJF などのスケジューリングは、計算問題として出題されることがあります。簡単な例題で練習しておくと安心です
- ページング方式と LRU は午前・午後ともに頻出です。ページの入れ替え手順を手で追えるようにしましょう
- 絶対パスと相対パス の違いは、実際にパソコンのフォルダ構成を見ながら確認すると理解が深まります
- スラッシング や スプーリング などのカタカナ用語は、意味とセットで覚えましょう
おわりに
OS は普段意識することが少ないですが、スマホもパソコンも、裏では OS が休みなく働いてくれています。この記事で紹介した内容を 「身近なたとえ」と結びつけて 覚えれば、試験本番でも落ち着いて解答できるはずです。



基本情報技術者試験の合格を目指して、一歩ずつ頑張りましょう!














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