はじめに
幽灯子/基本情報技術者副専門官基本情報技術者試験の「経営・財務」分野で必ずと言っていいほど出題されるのが損益分岐点です。
「なんか難しそう…」と感じる方も多いかもしれませんが、実はとてもシンプルな考え方です。この記事では、数学が苦手な方や経営の知識がゼロの方でも理解できるように、身近な例を使って丁寧に解説します!
損益分岐点とは? まずはイメージから





損益分岐点とは一言で言うと、「黒字でも赤字でもない、ちょうど±ゼロになる売上高のこと」です。
たとえば、あなたが文化祭でたこ焼きを売るとしましょう。
- テントや機材のレンタル代:5,000円(これは何個売っても必ずかかる費用)
- たこ焼き1パックの材料費:100円(売った分だけかかる費用)
- たこ焼き1パックの販売価格:300円
この場合、1パック売るごとに 300円 − 100円 = 200円 の利益が積み上がっていきます。
では、5,000円の固定費をカバーするには何パック売ればいいでしょうか?
5,000円 ÷ 200円 = 25パック
25パック売れた時点で、ようやく「儲けも損もない」状態になります。これが損益分岐点です。26パック目から初めて本当の利益が生まれるわけです。
3つの基本用語を覚えよう



損益分岐点を理解するには、3つの用語を押さえておく必要があります。
① 固定費(こていひ)
売上がゼロでも必ずかかる費用のことです。
例:家賃、正社員の給与、機械のリース料、保険料など
たこ焼きの例でいえば、「机やテントのレンタル代 5,000円」がこれにあたります。たこ焼きを1個も売らなくても、この費用は必ず払わなければなりません。
② 変動費(へんどうひ)
売れた量に比例してかかる費用のことです。
例:材料費、外注費、販売手数料など
たこ焼きの例でいえば、「1パックの材料費 100円」がこれです。売れた分だけかかります。
③ 限界利益(げんかいりえき)
売上から変動費を引いた金額のことです。
限界利益 = 売上高 − 変動費
たこ焼きの例では、1パックあたり 300円 − 100円 = 200円 が限界利益です。この「200円」が固定費を回収するための原資になります。
「限界利益」という名前は難しそうですが、「売上から変動費を除いた、固定費の回収に使える利益」と覚えておけばOKです。
損益分岐点の計算式


損益分岐点売上高の公式
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高 = 1 −(変動費 ÷ 売上高)
少し難しく見えますが、順を追えば大丈夫です。
具体的な計算例で練習しよう
例題
ある小さな食堂の月次データは以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月の売上高 | 100万円 |
| 変動費(食材費など) | 40万円 |
| 固定費(家賃・人件費など) | 42万円 |
この食堂の損益分岐点売上高を求めなさい。
解き方
ステップ1:限界利益を求める
限界利益 = 売上高 − 変動費 = 100万円 − 40万円 = 60万円
ステップ2:限界利益率を求める
限界利益率 = 60万円 ÷ 100万円 = 0.6(60%)
ステップ3:損益分岐点売上高を求める
損益分岐点売上高 = 42万円 ÷ 0.6 = 70万円
つまり、この食堂は月に70万円の売上を上げれば、ちょうど損益ゼロです。70万円を超えた部分が「本当の利益」になります。
損益分岐点を図で理解する



損益分岐点は「損益分岐点図(CVP分析図)」というグラフで視覚的に確認できます。


- 売上線:原点から右上がりの直線
- 総費用線:固定費から始まる右上がりの直線
- 2本の線が交差する点が損益分岐点
交差点より右(売上が多い)側が「黒字ゾーン」、左側が「赤字ゾーン」になります。
試験でよく出る応用問題パターン



基本情報技術者試験では、単純な計算だけでなく、以下のような応用問題も出題されます。
パターン① 目標利益を達成するための売上高
「利益を●●円得るには売上高がいくら必要?」というパターン。
必要売上高 = (固定費 + 目標利益) ÷ 限界利益率
先ほどの食堂で「月12万円の利益を出したい」なら:
(42万円 + 12万円) ÷ 0.6 = 90万円の売上が必要
パターン② 安全余裕率
「今の売上が損益分岐点からどれだけ余裕があるか」を示す指標です。
安全余裕率(%)=(現在の売上高 − 損益分岐点売上高)÷ 現在の売上高 × 100
先ほどの食堂(売上100万円・損益分岐点70万円)なら:
(100万 − 70万)÷ 100万 × 100 = 30%
この数字が高いほど、売上が多少下がっても赤字になりにくい、安定した経営といえます。
まとめ:押さえておくべきポイント



損益分岐点の学習で最低限覚えておくべきことを整理します。
- 損益分岐点とは → 利益がちょうどゼロになる売上高・販売数
- 固定費 → 売上に関係なく必ずかかる費用
- 変動費 → 売上に比例してかかる費用
- 限界利益 = 売上高 − 変動費
- 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
- 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
この6つを押さえておけば、基本情報技術者試験の損益分岐点問題は十分に対応できます。グラフの読み取り問題も、「売上線と総費用線の交点」と覚えておきましょう。
最後に
損益分岐点は、試験だけでなく実際のビジネスでも非常によく使われる概念です。「何個売れれば元が取れるか?」「家賃を上げたら採算が合うか?」といった日常的な判断に直結しています。



難しい数式に見えても、「固定費を限界利益率で割る」というシンプルな計算が基本です。まずはたこ焼き屋や食堂の例を思い浮かべながら、何度も手を動かして練習してみてください。きっとすぐに感覚がつかめるようになりますよ!頑張って合格を目指しましょう!💪














コメント