はじめに
夜籟 INFRA総務部長IT業界で働いていると、「レイテンシーが高い」「レイテンシーを下げたい」といった会話を耳にすることがあります。特にインフラエンジニアがよく使うこの言葉、実は私たちの日常生活にも深く関わっています。
この記事では、専門用語をできるだけ使わずに「レイテンシー」について解説します。
レイテンシーとは?ひとことで言うと「待ち時間」



レイテンシー(Latency) とは、簡単に言えば 「何かを要求してから、その結果が返ってくるまでの待ち時間」 のことです。
日本語では「遅延」「待ち時間」とも呼ばれます。
身近な例で理解しよう
例1:レストランでの注文
レストランで料理を注文する場面を想像してください。
- あなたが「パスタをください」と注文する
- 店員さんが厨房に伝える
- シェフが調理する
- 料理があなたのテーブルに届く
この「注文してから料理が届くまでの時間」がレイテンシーです。
例2:LINEでのメッセージ送信
友達にLINEでメッセージを送るとき、
- あなたが送信ボタンを押す
- メッセージがインターネットを通じて送られる
- 相手のスマホに届く
- 「既読」がつく
この「送信ボタンを押してから既読がつくまでの時間」もレイテンシーの一種です。
例3:オンラインゲーム
オンラインゲームで「ラグい」と感じたことはありませんか?
ボタンを押してもキャラクターの動きが遅れる、相手の動きがカクカクする…これはまさにレイテンシーが高い状態です。
インフラエンジニアが気にするレイテンシー



インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、ITシステムの「土台」を作る仕事をしています。
特に気にするレイテンシーには、以下のようなものがあります。
| 種類 | 説明 | 身近な例 |
| ネットワーク | データが道を通過する時間 | Webサイトの表示が始まるまでの待ち時間 |
| サーバー | プログラムが計算を処理する時間 | 検索ボタンを押してから結果が出るまでの時間 |
| データベース | 倉庫(DB)からデータを探し出す時間 | ログイン時に本人確認が終わるまでの時間 |
レイテンシーの単位
レイテンシーは通常、ミリ秒(ms) で測定されます。
- 1秒 = 1,000ミリ秒
目安として:
| レイテンシー | 体感 |
|---|---|
| 1〜10ms | ほぼ瞬時。ストレスなし |
| 10〜100ms | 少し待つ感覚がある |
| 100〜300ms | 明らかに「遅い」と感じる |
| 300ms以上 | イライラするレベル |
なぜレイテンシーが重要なの?
ユーザー体験に直結する
Amazonの調査によると、ページの読み込みが0.1秒遅くなるだけで、売上が1%減少すると言われています。
Googleも、検索結果の表示が0.5秒遅れると、検索回数が20%減るというデータを公開しています。
つまり、レイテンシーはビジネスに直接影響を与えるのです。
リアルタイム性が求められるサービス
- ビデオ通話(Zoom、Google Meetなど)
- オンラインゲーム
- 株式取引システム
- 自動運転車



これらのサービスでは、ほんの少しの遅延が大きな問題になります。
レイテンシーを下げるためにインフラエンジニアがやっていること
- サーバーをユーザーの近くに置く: データが伝わるスピード(光速)には限界があります。たとえ光の速さでも、日本からアメリカを往復すれば物理的に時間がかかってしまいます。そのため、日本のユーザー向けサービスなら、日本国内にサーバーを設置するのが鉄則です。
- CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用: 世界中にデータのコピーを配置して、最寄りの場所から配信
- キャッシュの活用: よく使うデータを一時保存して、毎回計算しなくて済むようにする
- 高速なハードウェアの導入: SSDなど読み書きの速い機器を使用
- プログラムの最適化: 無駄な処理を減らして、効率よく動くようにする
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| レイテンシーとは | 要求から応答までの「待ち時間」 |
| 単位 | ミリ秒(ms) |
| 低いほど良い | レイテンシーは低ければ低いほど快適 |
| ビジネスへの影響 | わずかな遅延でも売上に影響する |
おわりに
「レイテンシー」という言葉は難しそうに聞こえますが、要は「待ち時間」のことです。
私たちが快適にインターネットを使えているのは、インフラエンジニアたちがこのレイテンシーを少しでも減らすために日々努力しているおかげなのです。



次にWebサイトがサクサク動いたとき、ぜひ裏で働くエンジニアたちのことを思い出してみてください。









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